この記事では、飲み物については、植物のためのマテを参照してください。
マテは、南米のいくつかの国では、特にアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、ブラジルの伝統的な飲み物です。これは、マテイン(カフェインに類似した刺激性アルカロイド)を含む飲み物で、マテ(Ilex paraguariensis)の乾燥した葉の抽出によって作られます。通常は空洞のカラバッシュ(ひょうたん)や金属の容器に入れて、特別な金属製のストロー「Bombilla」で飲まれます。ストローはポルトガル語でボンバ、スペイン語でボンビージャとも呼ばれ、伝統的には銀製のものが多いです。瓢箪の容器は地域によりマテやグアンパ、ブラジルではcuiaと呼ばれます。近年では魔法瓶でお湯を携帯しながら、この伝統的な器で何度も注ぎ足して飲む習慣が続いています。
歴史と文化的背景
マテの飲用は先住民族グアラニーなどに起源があり、ヨーロッパ人の到来後に広がりました。コミュニティや家族、友人同士で回し飲みをする社会的習慣が深く根付いており、アルゼンチンやウルグアイなどでは日常的な社交行為になっています。移民を通じて、シリアやレバノンなどの一部中東諸国でもマテの文化が広がり、シリアは世界有数のマテ輸入国となっています(年間の輸入量が多い)。
名称・器具・用語
基本用語は以下の通りです:
- イェルバ・マテ(yerba mate):乾燥・刻んだマテの葉のこと。
- マテ:容器(瓢箪など)あるいは飲用そのものを指すこともある語。
- ボンビージャ(Bombilla):フィルター付きの金属ストロー。先端が広がって穴や溝で茶葉をこします。現代のものは穴あき管型やスプリング付きのものがあります。スペイン語で「電球」を意味する名称が語源の一説です。
- グアンパ / クイア(guampa / cuia):飲む容器の呼び名。地域差がある。
淹れ方(基本のホットマテ)
一般的な淹れ方の手順:
- 容器にイェルバ・マテを半分から3/4ほど入れる(好みにより調整)。
- 片側に寄せて斜めにし、空いた側にぬるま湯(約20–30°Cの冷まし湯)を少量注ぎ、葉を湿らせて30秒ほど待つ。これは苦味を抑え、ボンビージャの詰まりを防ぐためです。
- 葉の湿った側にボンビージャを差し込み、安定させる。
- 別の容器で沸騰させたお湯を少し冷まし(およそ70–80°Cが目安)、ボンビージャの近くからゆっくり注ぎます。熱すぎると苦味が出やすく、風味や抗酸化成分が傷むことがあります。
- 一杯飲み終えたら同じ葉に繰り返しお湯を注ぎます(何度もリフィル可)。
冷たい水や氷で淹れるスタイル(特にパラグアイで一般的な)をテレレ(tereré)と言い、暑い気候で好まれます。テレレは冷水や果汁、ハーブを使って爽やかに飲みます。ブラジル南部では、より細かく挽いたイェルバを用いるchimarrão(チマラオン)というスタイルもあります。
種類と加工法
イェルバ・マテは乾燥法や粉砕の度合いにより多様です。燻煙(煙で乾燥)したものはスモーキーな香りが付き、無煙で乾燥したものはよりグリーンな風味になります。アルゼンチンやブラジルではロースト(焙煎)したタイプや、ティーバッグ式の「マテcocido」と呼ばれる商品も市販されています。市販名としては「クルスデマルタ」やブラジルでの「メイトレオン」のようなブランドもあります。
効能と含有成分
主な成分と期待される作用:
- アルカロイド(カフェイン類似のマテイン、テオブロミンなど)— 覚醒作用、集中力向上。
- ポリフェノール、抗酸化物質 — 酸化ストレスを減らす可能性。
- ビタミン(B群など)やミネラル(カリウムなど) — 微量栄養素を含む。
- 利尿作用や消化促進の効果を感じる人もいる。
これらの効果は個人差があり、臨床的エビデンスは項目によって限定的です。エネルギー代謝や体重管理に関する一部の研究ではわずかな補助効果が示唆されていますが、決定的ではありません。
健康上の注意点
安全に楽しむためのポイント:
- 温度に注意:非常に熱いマテの常習的摂取は、食道がんリスクの上昇と関連するという疫学的報告があります。熱による粘膜損傷が一因と考えられているため、飲むときは適温(70–80°C前後)にすることが推奨されます。
- 燻煙による有害物質:一部のイェルバは煙で乾燥されるため、ポリ環芳香族炭化水素(PAHs)などが含まれる場合があり、長期大量摂取は注意が必要です。
- 妊娠・授乳中の注意:カフェイン様成分を含むため、摂取量は控えめにすることが望ましいです。医師に相談してください。
- 薬物相互作用:覚醒剤や降圧薬、抗凝固薬などと相互作用する可能性があるため、常用薬がある場合は医師に確認してください。
保存・器具の手入れ
イェルバは湿気を避け、密閉容器で冷暗所に保存します。瓢箪のマテ(マテ器)は新しいものは「慣らし(キュアリング)」が必要です。使用後は中の葉を捨て、乾燥させるのが基本。天然素材の器は長時間水につけない、強い洗剤は避けると割れや風味移りを防げます。金属製のボンビージャは専用ブラシで内部をよく洗い、乾燥させて保管します。
飲むときのマナー(共有の習慣)
伝統的には一人が給仕役(アルゼンティーノでは「cebador」)となり、マテを淹れて参加者に順番に回します。ルールの一例:
- 最初の一杯は給仕役が試飲して温度や味を確認することが多い。
- 受け取ったら一気に飲み切り、容器を給仕役に返す。次の注ぎを待つ。
- もう飲まない場合は、受け取ったときに「gracias」と言って断るのが一般的。
まとめ
マテは長い歴史と豊かな文化的背景を持つ南米の伝統飲料で、社交の場や日常の習慣として根付いています。香りや淹れ方、器具の違いにより多彩な楽しみ方があり、抗酸化物質など健康に寄与する成分も含まれますが、摂取方法(特に温度)や量には注意が必要です。初めて試す際は、風味や刺激に慣れるまで少量から始め、妊娠中や持病がある場合は医師に相談してください。






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