ペコリーノは、イタリアで作られる伝統的な羊乳チーズの総称である。この語は、イタリア語のpecora(「羊」)に由来する。ペコリーノには、やわらかく若いものから、非常に硬く長期熟成させたものまであり、熟成が進むと塩味が強く、酸味のある風味が際立つ品種も多い。

主な種類

  • ペコリーノ・ロマーノ — 硬く塩気が強いチーズで、パスタやスープにすりおろして使うことが多い。
  • ペコリーノ・トスカーノ — 若いものは比較的穏やかで、食感はよりクリーミー。熟成品は風味がより力強くなる。
  • ペコリーノ・サルド — サルデーニャのタイプで、熟成度によって穏やかにも強めにもなる。
  • その他の地域品 — 各地の県や地域が、それぞれ独自の名称を持つペコリーノを作っており、食感や風味もさまざまである。

製法

製造は、生乳または低温殺菌乳の新鮮な羊乳をレンネットで凝固させるところから始まる。カードは型に入れて圧搾し、塩を加えることが多く、塩水に漬ける場合もある。熟成期間は幅広く、若いペコリーノは数週間で食べられる一方、熟成したものは数か月から1年以上かけて発達し、より硬く、味わいも濃縮される。

料理での使い方と特徴

熟成ペコリーノは、パスタ、リゾット、スープにすりおろして使われることが多い。若いものや中熟成のものは卓上チーズとして、パン、果物、ワインと合わせて食べられる。熟成が進むほど塩味と鋭さが増し、食感は若いチーズではなめらかで弾力があるのに対し、古いものでは乾燥してほろほろになる。

法的・文化的な位置づけ

いくつかのペコリーノは地域保護の対象となっており、長く続く製法とともに、イタリア各地の食文化における役割を示している。羊乳製品であるペコリーノは、牛乳チーズとは脂肪とたんぱく質の組成が異なり、そのため風味や熟成の進み方にも違いが生じる。他のチーズと比べても、その個性は明確である。