座標。45°47′N 3°05′E / 45.783°N 3.083°E / 45.783; 3.083
オーヴェルニュ(オック語:Auvèrnha / Auvèrnhe)は、フランスの旧行政地域である。現在はオーヴェルニュ=ローヌ=アルプの行政区域の一部である。フランス中南部のマッシフ中央部に位置する。この地域の住民はオーヴェルニャーとして知られている。
オーヴェルニュ地方には、アリエ、カンタル、オートロワール、ピュイ=ド=ドームの4つの県があった。首都はクレルモン・フェラン。
地理と自然
オーヴェルニュはフランス中央部に広がる山岳・高原地帯で、ヨーロッパでも有数の古い火成活動の跡が残る地域です。代表的な地形としてはマッシフ中央山地の中央に連なる火山群(Chaîne des Puys)や、溶岩台地、深い谷や高原が挙げられます。ピュイ・ド・ドームをはじめとする多数の円錐火山や溶岩円頂丘が観察でき、景観・地形の学術的価値からChaîne des Puysは世界遺産にも登録されています。
気候
海洋性気候と大陸性・山岳性気候の影響を受けるため、地域内で気候差が大きいのが特徴です。高地では冬に積雪がありスキーやウィンタースポーツが盛んです。夏は比較的涼しく、涼しい高原は避暑地としても人気があります。
歴史と行政
歴史的にはローマ時代から人が住み、独自の言語文化(オック語の一方言であるオーヴェルニャ語)を保持してきました。近代行政区画としてのオーヴェルニュはフランス革命以降に成立し、2016年の地域再編により隣接するローヌ=アルプと合併して現在のオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域の一部となりました。
県(デパルトマン)について
- アリエ(県都:モラン/モーランなど):ロワール川流域を含み、農業と歴史的な温泉地(例:ヴィシー)がある。
- カンタル(県都:オリヤック/オリャック、実際の県都はオリヤックではなくオリヤックと表記されることがあるが、行政上はオリヤックは旧名称):山岳地帯が広がり、牧畜と酪農が盛ん。カルスト地形や断崖、伝統的な村が残る。
- オートロワール(県都:ル・ピュイ=アン=ヴレ):歴史ある巡礼の町ル・ピュイ=アン=ヴレを擁し、宗教的・文化的な重要性を持つ。
- ピュイ=ド=ドーム(県都:クレルモン・フェラン):県名の由来となったピュイ・ド・ドームやChaîne des Puysを含み、工業(特にミシュランの本社)と研究機関が集中する。
経済と産業
オーヴェルニュの経済は多様で、次の分野が中心です。
- 農業・畜産:牧畜(牛・羊)と酪農が盛んで、チーズ生産(Cantal、Saint-Nectaire、Bleu d'Auvergneなど)が地域産業の重要な柱です。
- 工業:クレルモン=フェランにはタイヤメーカーのミシュラン(Michelin)が本社を置き、機械工業や冶金、化学なども発展しています。
- 観光:火山群、自然公園、温泉地、スキー場などを目的とした観光は地域経済にとって重要です。特に自然景観と屋外アクティビティが人気です。
- 特産品:「レ・ピュイの緑レンズ豆(lentille du Puy)」など、地域ブランドの農産物も知られています。
文化・言語・食
オック語の一方言であるオーヴェルニャ語(Auvergnat)の伝統が残り、民謡や民族楽器(カブレッタ/cabrette、といったバッグパイプ風の楽器)やフォークダンス(bourrée)などの民俗文化が継承されています。料理は素朴でボリュームがあり、代表的な郷土料理としてトゥラファド(truffade)やアリゴ(aligot)、各種チーズ料理があります。
見どころと観光
- クレルモン=フェラン:ゴシック様式の大聖堂、街並み、ミシュラン博物館など。都市は古い歴史と近代産業が混在します。
- ピュイ・ド・ドームとChaîne des Puys:火山景観、ハイキング、展望台。Chaîne des Puysはユネスコ世界遺産。
- パルク・ナチュレル・リジョナル・デ・ヴォルカン(Parc naturel régional des Volcans d'Auvergne):豊かな自然とハイキングコース。
- 温泉・避暑地:ヴィシー、ラ・ブルビュール(La Bourboule)やル・モン=ドールなどの保養地。
交通
主要都市クレルモン=フェランは道路・鉄道網でフランス各地と結ばれています。A75(ラ・メディテラネ)などのオートルートや地域空港、長距離列車・インターシティ路線が利用可能で、山岳地帯へのアクセスも整備されています。
まとめ
オーヴェルニュは、火山や高原が織りなす独特の自然景観、伝統的な農牧業とチーズ文化、産業都市クレルモン=フェランを中心とした地域的多様性を併せ持ちます。地域再編によって行政上は新しい大きな州の一部となりましたが、歴史・言語・食・風景といった「オーヴェルニュらしさ」は今日も色濃く残っています。







