Reginald Crundall Punnett FRS、ケント州トンブリッジ、1875年6月20日 - サマーセット州ビルブルック、1967年1月3日)は、イギリスの遺伝学者である。ケンブリッジ大学で生物学教授、遺伝学教授となった。

1910年、ウィリアム・ベイトソンと共同で『遺伝学雑誌』を創刊した。パネットは、現在でも生物学者が子孫の遺伝子型の確率を予測するために用いる「パネット・スクエア」の考案者として、最もよく知られている人物であろう。彼の書いたMendelism (1905)は、遺伝学に関する最初の教科書と言われることがあるが、おそらく遺伝学を一般に紹介した最初の大衆向け科学書であったと思われる。

主な業績と貢献

  • パネット・スクエア(Punnett square)

    パネットが考案した表形式の図は、親の遺伝子型から子の遺伝子型の確率を視覚的に求めるための簡便な方法です。例えば、優性対立遺伝子Aと劣性対立遺伝子aについて、両親がともにAa(ヘテロ接合)で交配した場合、子の遺伝子型はAA: Aa: aa = 1:2:1 の割合で出現し、優性形質の表現型は3:1で現れることが直感的に示せます。教育や育種、遺伝学の入門で現在でも広く使われています。

  • Mendelism(1905)

    この書は、メンデルの法則を分かりやすく説明し、多くの例と図を用いて雑種解析の考え方を一般読者や学生に伝えました。遺伝の基本概念を整理して提示したことにより、メンデルの業績を再評価し、遺伝学を学問として確立するうえで重要な役割を果たしました。

  • 学術雑誌の創刊と共同研究

    1910年にウィリアム・ベイトソンと創刊した『遺伝学雑誌』は、当時発展途上にあった遺伝学の研究成果を紹介・蓄積する場を提供しました。パネットはベイトソンらとともに遺伝現象の観察・実験的解析を進め、種々の生物を用いた遺伝学研究の基盤づくりに貢献しました。

  • 教育と普及

    大学での教授職を通じて、多くの学生を指導し、遺伝学の教育カリキュラムの整備や普及に努めました。彼の著作や講義は、遺伝学を学ぶ入門者にとって標準的な教材となりました。

研究分野と影響

パネットは植物や動物を模型にして実験的な遺伝研究を行い、遺伝の法則や遺伝子の振る舞いに関する理解を深めることに寄与しました。単離遺伝、優性・劣性の概念、雑種分離の確率的な扱いといった基礎的手法を整理して示した点が、その後の遺伝学発展に大きな影響を与えました。

栄誉と評価

  • 氏名の後に付く FRS(Fellow of the Royal Society)は、王立協会フェローとしての栄誉を示します。
  • 著作や教育活動を通じて、遺伝学を学問として成立させ、広く一般に紹介した功績が現在でも高く評価されています。

遺産

パネットの名前は「パネット・スクエア」を通じて広く知られていますが、その真価は単なる道具の発明に留まらず、遺伝学を体系的にまとめ、教育・普及に尽くした点にあります。今日の遺伝学教育や育種実務における基礎概念の多くは、パネットら初期の研究者たちが築いた土台に依拠しています。