ボーイング707はジェット旅客機で、民間航空における初期の商業的成功を収めた機種の一つです。4基のエンジンを持つナローボディ(単通路)機で、一般的な座席配列は左右3席ずつの“3+3”(6アブレスト)でした。通称「セブン・オー・セブン」と呼ばれ、機種ごとに異なりますが、乗客定員はおおむね140~189名、航続距離は約2,500~5,750海里(約4,630~10,650km)程度です。
開発と歴史
707の設計は、試作機であったボーイング367-80(通称「ダッシュ80」)に由来します。ダッシュ80は1954年に初飛行し、この試作機の成功を受けて民間型としての707が開発されました。生産型の707(707-120など)は1957年に初飛行し、1958年から1979年までボーイング社によって製造されました。パンアメリカン・ワールド・エアウェイズは1958年10月26日に707を定期路線に導入し、これによりジェット旅客機時代の本格化が始まりました。
主なバリエーションとエンジン
707には複数のバリエーションが存在します。代表的なものに以下があります。
- 707-120:初期生産型。プラット・アンド・ホイットニーのJT3Cターボジェットを搭載した機体。
- 707-138:Qantas向けに短く軽量化した短胴型。
- 707-320(Intercontinental):大型の主翼と追加燃料タンクで長距離化した型。1959年頃より運用開始。
- 707-420:ロールスロイス社のコンウェイConwayターボファンを搭載した型(燃費性能改善)。
- ボーイング720:707を小型化・軽量化した派生機で、1960年に製造が始まりました(707ファミリーに近縁)。
技術的特徴
- 機体分類:ナローボディ(単通路)、4発エンジン。
- 巡航速度:おおむねマッハ0.74〜0.82(約780〜870 km/h、機種や運用条件で変動)。
- 航続距離:機種によって大きく異なり、短距離版から長距離版まで幅広く対応(約2,500〜5,750海里)。
- 乗員・乗客能力:標準的な旅客機仕様で140〜189名程度。貨客両用(コンバーチブル)型も存在。
軍用および特殊用途
707は民間旅客機としてだけでなく、軍用・特殊用途のベース機としても広く用いられました。代表例として、空中早期警戒管制機のE-3セントリーや、大統領専用機などの任務に使われたC-137ストラトライナーなどがあります。これらにより軍事用途での長期運用が続いている機体も多数あります。
生産数とその後の影響
707とその近縁機種(ボーイング720を含む)は数百機から千機規模が製造され、ボーイングを世界的な航空機メーカーへと押し上げる役割を果たしました。707の商業的成功は、後の「7x7」シリーズ(例:ボーイング727、ボーイング737、ボーイング757など)の基礎となり、設計思想や運用ノウハウが引き継がれています。
現状と遺産
旅客機としての707の多くは運用を終了しましたが、軍用や特殊機としての派生型は比較的長く使われ続けています。2010年代には民間航空会社での定期運航はほぼ終了し、報告によれば2011年頃にはごく僅か(約10機)が残存していた例があったものの、その後さらに減少しました。707は航空史において「商業的に成功した初期のジェット旅客機」として、航空輸送の高速化と国際路線網の拡大に大きく貢献した機体として評価されています。
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