概要
レビ記は、聖書およびトーラの第3書である。ヘブライ語では、冒頭句に由来するワイイクラーと呼ばれ、しばしば「そして彼は呼んだ」と訳される。伝統的にはモーセが著し、イスラエルの民に向けて語ったとされるが、近代研究では後代の編纂層についても論じられている。
内容と構成
レビ記は大部分が祭司的立法と儀礼指示で占められる。そこには、犠牲に関する詳細な規定、祭司の職務と叙任、そして儀式上の清浄に関する規則が含まれる。書名の由来となったレビ人は、特別な祭儀的役割を担う(レビ人)。主要部分は、供え物、祭司の任職、清いものと汚れたものの区別、贖罪の日、そして社会的・道徳的指示からなる「聖性の法典」を扱う。
主要な主題と特徴
中心的な主題は、聖性、聖なるものと日常的なものの分離、定められた儀礼による罪の贖い、共同体の清浄である。レビ記は儀礼的規範と倫理的命令を併せ持ち、たとえば共同体の健全さと境界を保つための指示が、隣人愛に関する勧告と並んで現れる。文体は技術的かつ命令的で、祭儀的な場を反映している。
成立と編纂
ユダヤ教とキリスト教の伝承ではモーセが著者とされるが、批評的研究では祭司資料と後代の再編集が認められ、多くの素材が、イスラエル王国期またはその後から、捕囚期・ポスト捕囚期にかけて中心的となった祭儀伝統の中に位置づけられる。この書は、古い慣行を保持しつつ、祭司団のための体系的な手引きとして整えられている。
宗教的用法と意義
レビ記は、多くのユダヤ教の儀礼法の基盤となり、律法、犠牲、贖罪に関するキリスト教的解釈にも影響を与えた。会堂での朗読や、清浄、食物規定、聖日をめぐるユダヤ法の議論にも関わる。書中の倫理的箇所は、律法と道徳をめぐる広い神学的議論でしばしば引用される。
注目すべき特徴
- 創世記や出エジプト記と比べると、物語性よりも祭儀的・祭司的性格が強い。
- 儀礼上の規定と道徳的規則の双方を含み、しばしば「聖性の法典」と呼ばれる。
- 解釈は一様ではなく、伝統はモーセ的権威を重視し、学術研究は成立史の発展を重視する。
本文をさらに検討するには、トーラ全体の入門書や、犠牲体系、祭司文学に関する専門研究が参考になる。関連項目として、旧約聖書、族長、そして古代イスラエル宗教に関する議論(トーラ、聖書)を参照できる。