地殻とは、地球の最外層にある比較的硬い岩石の層を指します。厚さは場所によって異なりますが、地球の体積に占める割合はごく小さく、約1%にも満たないとされています。地殻は主に火成岩、変成岩、堆積岩など、さまざまな種類の岩石で構成されています。
地殻とその下位構造
地殻の下には固体だが可塑性を示すマントルが存在します。地殻と上部マントルの硬い部分はリソスフェアを構成し、リソスフェアはさらに複数の移動可能な構造プレート(プレート)に分かれています。プレートはその下の弱い層(アセノスフェア)上をゆっくり移動し、プレート境界で地震や火山活動、山脈形成などの地質現象を引き起こします。
地殻の種類
地殻には大きく分けて2種類あります。
- 大陸地殻:陸地の下にあるもので、厚さはおおむね30km〜50km(場所によっては上部で10km、下部で70kmを超えることもあります)。大陸地殻は軽くて密度の低い岩石を多く含み、花崗岩のような珪長質(felsic)な深成岩や各種の変成岩、堆積岩などから成ります。平均密度は約2.6〜2.9 g/cm³です。大陸地殻は古く、数十億年前に形成された部分が残っていることが多い点も特徴です。
- 海洋地殻:海底の下にある地殻で、厚さは一般に5km〜10km程度と薄く均一です。主に新生代で作られる比較的若い地殻で、玄武岩などの密度の高い苦鉄質(マフィック)岩石で構成されています。平均密度は約3.0 g/cm³前後で、海洋地殻は主に中央海嶺で生成され、海溝で消滅(沈み込み)することでプレート循環に関与します。
厚さと境界(モホ面)
地殻とマントルの境界は「モホロビチッチ不連続面(モホ)」と呼ばれ、地震波の速度変化から識別されます。モホの深さは大陸域では平均30〜40km、海洋域では約5〜10kmで、場所によって大きく変化します。
温度と地熱勾配
地殻の温度は、地表近くでは大気や海洋の影響で低温ですが、深くなるにつれて地熱の影響で上昇します。一般的な地熱勾配はおよそ25〜30°C/km前後ですが、地域差が大きく、火山帯やホットスポット付近ではこれより高くなることがあります。地殻がマントルに接する部分(モホ付近)の温度は場所により幅があり、数百度に達する場合もあります。地殻表層は大気や海水と接しているため最も冷たい層です。
形成と再循環
海洋地殻は中央海嶺で新しく生成され、プレート運動によって海溝で沈み込むことでマントルに再吸収されます。一方、大陸地殻は増加・成長を続けるプロセス(火成活動やプレートの衝突による付加や変成、堆積物の蓄積)で複雑に進化し、しばしば何億年もの時間をかけて保存されます。このため、大陸地殻は地球上で最も古い岩石を含むことが多いです。
地殻の重要性
- 地震や火山活動の源となるプレート境界・弱部の性質を決める。
- 鉱床や地下水、化石燃料などの自然資源を蓄える場であり、経済的にも重要。
- 地表環境(気候や生態系)と密接に結びついており、人間活動の基盤となる。
以上のように、地殻は厚さ・組成・年齢・温度などが場所により大きく異なり、地球表層の地質学的プロセスや資源、自然災害に深く関わる重要な層です。地殻の研究は、地震学・火山学・地球化学など複数分野を横断して進められています。

