1963年に制定された「同一賃金法」は、「公正労働基準法」を改正した連邦である。性別のみによる賃金格差を禁止している。1963年6月10日、当時アメリカ合衆国大統領であったジョン・F・ケネディによって署名され、制定された。原則は、性別に関係なく同一労働同一賃金であった。

概要と目的

同一賃金法(Equal Pay Act, EPA)は、同一あるいは「実質的に同等」の労働に対して男女で異なる賃金を支払うことを禁止します。目的は、性別による不当な賃金格差を是正し、賃金の公平性を確保することです。

適用範囲と対象

  • 対象:一般に民間の雇用主、労働組合、雇用仲介機関などが対象となります。EPAは「公正労働基準法(FLSA)」の一部として制定されているため、賃金規制の枠組みで適用されます。
  • 誰が訴えられるか:従業員が差別を訴えることができ、当局(労働省の賃金時間局など)や民事訴訟を通じて救済が求められます。

「同一労働」の基準

法律は、職務が「equal work(等しい労働)」であるかどうかを判断する際、以下の要素を重視します:

  • 必要な技能(skill)
  • 労力(effort)
  • 責任の程度(responsibility)
  • 労働条件の類似性(working conditions)

職務名や職位だけで判断せず、実際の職務内容や求められる要件で比較されます。

例外(雇用者が主張できる正当な理由)

賃金差が違法とならない代表的な例外(雇用者の抗弁)は次のとおりです:

  • 年功制度(seniority system)
  • 能力や業績に基づく評価制度(merit system)
  • 生産量や品質に基づく差(quantity or quality of production)
  • 性別以外の合理的な要因(any factor other than sex)

救済と手続き

  • 救済内容:未払い賃金の支払い(back pay)、差額の補填、差止命令などが求められます。状況により弁護士費用や訴訟費用の回収が認められることもあります。
  • 手続き:労働省の担当部局(賃金時間局)や平等雇用機会委員会(EEOC)への申し立て、あるいは私人による裁判提起が一般的です。
  • 時効・訴訟期間:賃金差別に基づく請求は時効が問題になります。2009年のLilly Ledbetter Fair Pay Actは、差別的な賃金支払い(差額のある各給与支給日)ごとに時効期間が再起算されることを明確にしました。

他の法律との関係

EPAは賃金の不平等に直接着目する法律であり、性別差別全般を禁止する《Title VII》などの他の連邦法と併せて利用されることがあります。状況によってはEPAとTitle VIIの両方で救済を求めることが可能です。

現状と課題

法制定から長年が経過した現在でも、職種や業界によって男女の賃金格差は残っており、職務の内容や評価基準の透明性、差別の立証の困難さなどが課題とされています。州ごとに独自の同一賃金法や追加的保護を定めているところもあり、実務上は連邦法と州法の両方を確認することが重要です。

相談・行動のポイント

  • 賃金差が疑われる場合は、まず社内の人事や労働組合に相談する。
  • 証拠(職務記述、評価、賃金明細、同僚の職務内容の記録等)を保存する。
  • 管轄する行政機関(EEOCや労働省)に相談または申立てを行う、あるいは雇用差別に詳しい弁護士に相談する。

同一賃金法は性別に基づく不当な賃金差別を直接的に禁止する重要な連邦法です。実務上の適用や救済手続きは複雑になり得るため、具体的な事案については専門家への相談が望まれます。