挟撃(挟み撃ち・包囲戦術)とは?定義・原理・歴史と戦術解説

挟撃(挟み撃ち・包囲戦術)の定義・原理・歴史と実践的戦術を図解で詳解。戦場での応用例や戦術的考察まで学べる、入門から実践までの完全ガイド。

著者: Leandro Alegsa

挟撃は、敵の陣形の両側面を同時に攻撃する戦術である。挟撃は、敵軍が自軍の中心に向かって進攻してきたときに使われる。その軍隊は、外側の軍隊を敵の側面に移動させ、包囲することで対応する。同時に、2層目の挟撃部隊がより遠くの側面を攻撃し、敵の増援を断ち切ることもあります。

定義と基本概念

挟撃(はさみうち・包囲戦術)とは、敵の主要部隊を正面から押さえつける「固定部隊」と、左右(または一方)の側面を回り込んで攻撃・包囲する「挟撃部隊」を組み合わせる作戦である。目的は敵を側面・後方から圧迫して混乱・崩壊させ、殲滅または降伏・投降を引き出すことにある。

原理・構成要素

  • 固定(牽制)部隊:敵の注意と前進力を引きつけ、側面部隊が回り込むための時間を稼ぐ。
  • 挟撃(回り込み)部隊:敵の側面・後方を突き、補給線や退路を断ち切る。
  • 予備・支援:増援や機動部隊、航空支援、砲兵などによって包囲の完成と敵の殲滅を確保する。

挟撃の種類

  • 両挟撃(double envelopment):左右両側から包囲する古典的な形。カンナエの戦い(紀元前216年、ハンニバル)で有名。
  • 片挟撃(single envelopment):一方の側面だけを回り込んで包囲・側背を突く型。
  • 深遠挟撃(縦深での回り込み):敵前面を突破して後方で連絡線を断つ戦術。
  • 輪状包囲・層状包囲:二重三重に包囲線を作り、脱出を困難にするもの。

成功の条件

  • 速度と機動性:回り込み部隊が迅速に側面を制することが必須。機甲部隊や空挺部隊が有利。
  • 情報と偵察:敵配置・予備隊の位置、地形の把握が欠かせない。
  • 指揮統制:タイミング合わせと柔軟な指揮系統。遅延や誤差が致命的になり得る。
  • 補給と後方安全:回り込み中に自軍側が補給切れや反撃を受けないこと。
  • 地形の有利性:障害物や狭隘地を活かし敵を誘導することができれば成功率が高まる。

リスクと欠点

  • 回り込み部隊が孤立して逆襲を受ける危険。
  • 敵が中央を突破して自軍の側面を突くことで逆包囲される可能性。
  • 時間がかかりすぎると敵が増援を得て包囲戦が失敗する。
  • 補給線が伸び過ぎると戦闘持続力が低下する。

主な戦術手順(一般的な流れ)

  1. 偵察と計画:敵の編成・地形・退路を把握する。
  2. 牽制と誘導:固定部隊が敵を中央に留め、側面に回る余地を作る。
  3. 分割・回り込み:挟撃部隊が側面を回り、敵周辺を連続して制圧する。
  4. 連絡線遮断:補給・撤退路を断ち、敵の行動を制限する。
  5. 殲滅または降伏勧告:圧力をかけ続けて敵の組織的戦闘能力を破壊する。

歴史的事例

  • カンナエの戦い(紀元前216年):ハンニバルがローマ軍を両側から包囲し、大勝した古典的例。
  • キーウの包囲(1941年):独ソ戦初期にドイツ軍が大規模包囲で赤軍を捕捉した事例(大部隊の殲滅)。
  • スターリングラードの包囲(1942–1943年):ソ連軍の反攻(ウラヌス作戦)によりドイツ第6軍が包囲され降伏した近代の重要な例。

現代戦での応用と変化

機械化・機動化、空挺・航空支援、情報優勢(ISR)により挟撃は速度と情報の戦いになっている。現代では以下のような要素が挟撃を変えた:

  • 空中投射や空挺作戦:短時間で深い回り込みを行い、敵の後方を混乱させる。
  • 航空優勢と精密火力:敵の退路や支援を空から断つことで地上の挟撃効果を高める。
  • 電子戦・情報戦:通信妨害や偽情報で敵の指揮統制を崩す。
  • 多国籍・複合戦:海・空・陸を連携させた総合的な包囲が可能になっている。

防御側の対抗策

  • 予備隊の保持:側面への回り込みを阻止する逆襲予備を配置する。
  • 撤退路の確保:安全な退路をあらかじめ確保し、包囲されても分断を防ぐ。
  • 分散と機動防御:中央突破で敵を引き裂き、包囲の完成を妨げる。
  • 航空支援・砲兵火力:回り込む部隊に対し集中的な火力を浴びせる。

まとめ

挟撃は、歴史的にも現代でも有効な決定的手法の一つだが、成功には速さ、情報、統率、補給の確保が不可欠である。逆に欠点やリスクも大きく、状況を誤れば逆襲や自軍の陣形崩壊を招く。戦術としては単純に見えるが、実行は高度な準備と統合的運用を要する。

ここでは、赤軍が前進する青軍を包囲しようと挟撃運動を展開する。Zoom
ここでは、赤軍が前進する青軍を包囲しようと挟撃運動を展開する。

説明

完全な挟撃移動により、攻撃軍は前面、両側面、後面で敵と対峙することになる。敵の後方で攻撃側の挟撃部隊が連携すれば、敵は包囲される。このような戦いは、敵軍の降伏や壊滅に終わることが多い。包囲された部隊は、脱出を試みたり、反撃に出たりすることができる。側面作戦を成功させることは困難である。

歴史

孫子は『兵法』の中で、この作戦について述べている。しかし、彼は囲まれた敵に逃げ道を残しておくことを重要視した。そうでなければ、死に直面したとき、囲まれた敵はもっと激しく戦うだろう。1944年8月、パットン将軍がドイツ軍をファレーズ・ポケットに閉じ込めたとき、この助言に従ったと思われる。

  • この作戦が最初に使われたのは、紀元前490年のマラトンの戦いのときかもしれない。歴史家ヘロドトスはアテネの将軍ミルティアデスがどのようにこの作戦を使ったかについて記述している。この戦いで、中央の弱い陣形は後退し、翼はペルシャの戦列の後ろに集まることができた。これはペルシャ軍をパニックに陥れて退却させることになった。
  • 有名なのは、紀元前216年のハンニバルによるカンネの戦い」でのことだ。軍事史家は、これを歴史上最も偉大な戦場での作戦のひとつとみなしている。
  • これは、シャルルマーニュが敵に対して好んで使った戦術である。彼は日常的に自分の司令部を2つの軍に分け、その間に敵を閉じ込めるようにした。
  • 1781年、サウスカロライナ州でのカウペンの戦いで、ダニエル・モーガンが効果的に使用した。イギリス軍はモーガンの部下が退却していると思い、そのまま罠に突進してきた。

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