ウリエル(ヘブライ語: אוּרִיאֵל、ギリシャ語: Ουριήλ、コプト語: ⲟⲩⲣⲓⲏⲗ、「神は私の光」または「神の火」の意)は、ユダヤ教およびキリスト教の伝統における大天使である。東方正教会、東方正教会、英国国教会では、「大天使聖ウリエル」または単に「聖ウリエル」と呼ばれています。
名称と語源
ウリエル(אוּרִיאֵל / Uri'el)はヘブライ語で「光」や「火」を意味する語根と神を示す「エル(אל)」から成り、「神は私の光」「神の光」「神の火」などと訳されることが多いです。ギリシャ語やコプト語にも転写され、各言語圏で発音や綴りの差異がありますが、基本的な意味合いは共通しています。
聖典・外典での登場
- ヘブライ語聖書(正典)では名前が明示されることは少ない一方で、ユダヤ教・キリスト教の外典・伪典、律法外書においてウリエルはしばしば重要な役割を果たします。
- たとえば、ユダヤ系の外典である『エノク書(1 Enoch)』では、ウリエルは四大天使の一人として天上での重要な職務を担い、啓示や世界の秩序に関する説明を行う場面があります。
- キリスト教系の外典である『第2エズラ書(2 Esdras / 4 Ezra)』では、ウリエルが預言者エズラ(エズラ/エズラ)に啓示や説明を与える天使として登場します。
- その他の伝承(ユダヤ教や後世のキリスト教的伝承、エチオピア正教会の書物など)にもウリエルの名と役割が見られます。
伝承上の役割・象徴
- 光・啓示の天使:ウリエルはしばしば「光」や「知識」を象徴する天使とされ、神の真理や神秘を人間に示す存在として描かれます。
- 罰・浄化の火:一部の伝承では「火」の属性が強調され、浄化や神の裁きを表す象徴として描かれることがあります。
- 守護・導き:特定の聖書的人物(例:エズラ)への導き手や、楽園(エデン)や門の守護者として語られることもあります。
- 悔悟や悔い改めの助け手:中世以降の一部のキリスト教的伝承では、ウリエルは悔い改めを助ける天使として信仰の対象になりました。
各宗派での位置づけと崇敬
- ユダヤ教:正典には明確な位置づけが少ないものの、外典やミドラーシュ的伝承、カバラなどではウリエルに関する言及があり、天上の司令官の一人として扱われることがあります。
- 東方正教会:東方正教会ではウリエルは伝統的に大天使の一人として崇敬され、諸聖人の記念日(例:諸天使の記念日)に列せられる教会が多くあります。
- 英国国教会(アングリカン)・一部のプロテスタント:英国国教会やアングリカン、米国聖公会などでは、ウリエルを聖人・大天使として記念する例があり、教区によって祭日が定められていることがあります(例:7月28日を記念日とする慣習が一部に見られます)。
- カトリック:ローマ・カトリック教会の公式的な典礼暦や教義では、聖書で明確に名が挙がるミカエル、ガブリエル、ラファエルの三天使が主要視されるため、ウリエルは普遍的な典礼上の地位を持たない場合が多いですが、民間信仰や地域的慣習では崇敬されることがあります。
- エチオピア正教会:エチオピア正教会ではウリエルの重要性が特に高く、多くの伝承や典礼で扱われます。
図像表現と文学での描写
- イコンや宗教画では、ウリエルはしばしば炎、書物、巻物、光の杖、剣などを携えた姿で描かれます。これらはそれぞれ啓示・知識・浄化を象徴します。
- 文学作品にも登場します。たとえばジョン・ミルトンの『失楽園(Paradise Lost)』にはウリエルの名が見られ、叙事詩的な天使像の一例となっています。
中世以降の影響と近代的解釈
- 中世のアポクリファやグノーシス的文献、魔術書、ヘルメス主義的・カバラの文献では、ウリエルは象徴体系の中で重要な役割を担うことがありました。
- 近現代では、ニューエイジやオカルティズムの文脈でウリエルが再解釈され、ヒーリングや霊的啓示の守護者として言及されることがあります。ただしこうした現代的な用法は宗教史的伝統とは異なる受け取り方である点に注意が必要です。
祈りと崇敬の実践
伝統的な祈祷文や現代の信徒の祈りでは、ウリエルに光と導きを求めるものが多く見られます。教会や地域共同体によってはウリエルに捧げる典礼や聖歌、祝日が行われます。
まとめ
ウリエルは「光」と「火」を象徴する大天使として、ユダヤ教・キリスト教のさまざまな伝承と外典に登場します。正典での明確な位置づけは宗派によって異なりますが、啓示者・守護者・浄化者として広く語り継がれてきました。芸術・文学・民間信仰にも強い影響を与え、現代においても宗教的・文化的に関心の高い天使の一人です。


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