テリーザ・メアリー・メイTheresa Mary, Lady May, née Brasier、1956年10月1日生まれ)は、イギリスの政治家であり、2016年から2019年までイギリスの首相を務めました。保守党所属で、マーガレット・サッチャーに次ぐイギリス史上2人目の女性首相です。

生い立ちと経歴

メイはサセックス州イーストボーンで生まれ、幼少期から青年期をオックスフォードシャーで過ごしました。オックスフォード大学セント・ヒューズ・カレッジ(St Hugh's College, Oxford)で地理学を学び、卒業後は金融・事務分野で働いた後、地方政治を経て国政に進出しました。私生活ではフィリップ・メイと結婚しており、子どもはいません。

政治経歴

1997年の総選挙で下院のメイデンヘッドの選挙区の国会議員(MP)に初当選して以降、保守党内で要職を歴任しました。2010年から2016年までの内務大臣を務め、移民政策や治安対策、テロ対策、警察改革などに関わりました。2016年7月にデビッド・キャメロン首相の辞任を受けて保守党党首選に勝利し、同年7月に首相に就任しました。

首相としてのBrexitと重要な出来事

メイ政権の最優先課題はEU離脱(Brexit)の交渉と実行でした。2017年3月にはEU離脱手続きの第50条を発動し、交渉を開始しました。同年6月に首相が早期解散を宣言して総選挙を実施しましたが、保守党は過半数を失い、北アイルランドの民主統一党(DUP)と協力する少数派政権となりました。

EUとの間でまとめた「離脱協定案」は議会で繰り返し審議され、複数回の「意味のある投票(meaningful votes)」で下院において否決されました。特に2019年1月15日の第一回採決では、メイの案は432票対202票で大差で敗れ、これは英下院史上でも最大級の差による敗北の一つとなりました。

国内における党内外の圧力も強まりました。2018年12月12日には、党内の一部議員が1922委員会の委員長サー・グラハム・ブレイディ宛てに不信任の手紙を送り、信任投票が実施されましたが、結果的にメイは支持を確保してリーダー職に留まりました(この時、約200人の議員が支持を表明したと報じられています)。一方で、2019年1月には野党労働党のリーダーであるジェレミー・コービンが政府に対して不信任案を提出しましたが、下院は325対306で不信任案を否決し、政府は存続しました。

辞任とその後

繰り返される議会での敗北と党内の分裂に対応するため、メイは2019年3月に、議会が彼女のBrexitの取引を可決した場合には新しいリーダーへの移行を促すため首相を辞任すると表明しました。これに続き、2019年5月24日に正式に党首辞任を表明し、辞任は当初6月7日に発効すると発表しましたが、後任の党首選出とその就任に伴い、最終的に首相の座は2019年7月にボリス・ジョンソン氏に引き継がれました。

政策と評価

メイの政治スタイルは慎重で管理志向と評され、内務大臣時代から移民抑制や治安維持を重視してきました。首相としてはBrexitの実行に全力を注いだ反面、党内の分裂や議会での合意形成の難しさが露呈し、政治的な支持基盤の維持に苦労しました。支持者からは誠実で責任感が強いと評価される一方、批判者からは柔軟性や交渉力が不足していたとの指摘もあります。

主要な経歴(要約)

  • 1956年:イーストボーン生まれ
  • 1997年:メイデンヘッド選出で下院議員に初当選
  • 2010–2016年:内務大臣(Home Secretary)
  • 2016–2019年:イギリス首相(Conservative Party leader)
  • 2019年:党首辞任、後任にボリス・ジョンソン

以上がテリーザ・メイの主な経歴と、首相在任中のBrexitを巡る主な出来事の概要です。必要であれば、内政・外交別の詳細や主要な演説、個別の政策(移民、治安、経済政策など)について追記します。