上咽頭癌(NPC)は、鼻の奥にある喉の上部、すなわち上咽頭に発生する悪性腫瘍である。発生部位、組織型、特定の環境要因や感染因子との強い関連のため、ほとんどの他の頭頸部がんとは生物学的にも臨床的にも異なる。上咽頭内で最も多い発生部位はローゼンミュラー窩と呼ばれる後外側のくぼみで、多くのNPCはここから発生する。頭頸部がん全般の背景については、関連資料を参照。
病理と種類
NPCにはいくつかの組織学的亜型がある。片端には角化型扁平上皮癌があり、もう一方には非角化型、しばしば低分化型または未分化型の癌がある。非角化型・未分化型は流行地域で特に多く、Epstein–Barrウイルス(EBV)感染と強く結びつく傾向がある。「扁平上皮」や関連する分類については、専門的な病理の概説である扁平上皮癌の解説を参照。
原因と危険因子
NPCは多因子性の疾患である。相互に関連するいくつかの要因が認められている。
- ウイルス: Epstein–Barrウイルスは多くのNPCの発症に中心的役割を果たす。EBVマーカーは研究や臨床で、病気の検出や経過観察に用いられる。ウイルス関連についてはウイルスとの関連を参照。
- 食事: 塩漬けの魚など、亜硝胺を含む保存食品を多く含む伝統的な食事は、いくつかの集団でNPC発生率の上昇と関連づけられてきた。食事要因の研究は食事リスクにまとめられている。
- 遺伝: 家族内集積や集団研究は、遺伝的な感受性要因がリスクに寄与することを示している。遺伝的素因の概説は遺伝要因で確認できる。
- 地理と人口統計: NPCは地理的差が大きく、中国南部や東南アジアの一部、北アフリカの特定地域で著しく多い。地域疫学については東アジアでの発生率とアフリカでの発生率を参照。
症状、診断と病期判定
NPCの初期症状はしばしば非特異的で、鼻づまり、血の混じった鼻汁、耳管閉塞による耳鳴りや難聴、リンパ節転移による痛みのない頸部腫瘤などがある。深い場所にあるため、病変は進行するまで見逃されることがある。診断には通常、鼻咽腔内視鏡と生検が必要で、画像検査やEBV関連の血液検査が病期判定や経過観察に役立つ。一般的な臨床像と疫学については疫学と臨床像を参照。
治療と予後
放射線治療は、上咽頭は外科的切除が難しいため、局所限局性NPCの治療の中心となる。局所進行例では同時化学放射線療法が標準であり、転移例では全身療法が用いられることがある。治療法は病期、組織型、患者要因によって決まる。転帰は診断時の病期によって異なり、早期病変はしばしば治癒可能だが、進行例では多職種による管理が必要となる。実際の治療の流れや方針は臨床管理で確認できる。
特徴と公衆衛生
NPCはEBVとの強い関連、特異な地理的分布、食事要因と遺伝要因の役割で知られる。流行地域では、腫瘍をより早期に見つけるためにEBV DNA検査や対象を絞ったスクリーニングプログラムが研究されてきた。NPC特有の自然経過を理解することは、他の頭頸部悪性腫瘍と区別し、臨床実践と研究の優先順位を定めるうえで役立つ。追加の読み物や資料として、頭頸部腫瘍学や腫瘍分類の専門要約も参照されている。
注: 本記事は簡潔な概要である。個々の診断、病期判定、治療の決定は、十分な臨床情報を持つ医療専門家が行うべきである。