アルバン・ベルク(2月9、1885年、ウィーン生まれ — 12月24日、1935年没)は、オーストリアの作曲家であり、アーノルド・シェーンベルクの弟子として知られる。アントン・ウェーベルンとともに第二ウィーン楽派を代表する作曲家で、3人それぞれが異なる方法で20世紀初頭の作曲スタイルに大きな影響を与えた。
ベルクが活動した時代は、依然として多くの作曲家がロマン派の伝統に根ざした音楽を書いていた時期だったが、シェーンベルクとその弟子たちは、無調(調性を離れた音楽)や、1オクターブ内の12音を等しく扱う12音技法(十二音技法)といった新しい方法を発展させた。ベルク自身は十二音技法を採用しつつも、シェーンベルクやウェーベルンに比べてより情緒的でロマン的な表現を保ち、叙情的な旋律と豊かな管弦法を併せ持つ作品を残した。
代表作としては、オペラの『ヴォツェック』と『ルル』、そしてヴァイオリン協奏曲が挙げられる。『ヴォツェック』(作曲は1914年頃から1922年頃までとされる)は、ゲオルク・ビューヒナーの同名戯曲を原作とする表現主義的オペラで、1925年に初演されると大きな反響を呼んだ。物語の激しい感情と不穏な心理描写を、無調や調性の揺らぎを用いて劇的に表現している。
『ルル』はベルクが生涯の終わりまで手がけた大作だが、第三幕の補筆が未完のままベルクは亡くなった。後にオーストリアの作曲家フリードリヒ・チェルハらによって補筆・完成され、全曲上演が可能になったことで、現代オペラ史における重要作として広く演奏されている。
ヴァイオリン協奏曲(1935年作曲)は、ベルクの最後の主要作品の一つで、若くして亡くなったマノン・グロピウスを追悼するために献呈されたことで知られる(献辞に「天使の追憶へ」とある)。この協奏曲では十二音技法と伝統的な和声や引用(バッハのコラールなど)を巧みに融合させており、感傷的で深い表現が高く評価されている。完成後に初演され、今日でも重要なレパートリーとなっている。
他にも弦楽四重奏や管弦楽作品、室内楽、歌曲など幅広いジャンルの作品を残した。ベルクの作風は、厳格な技法と個人的・劇的な表現を結びつける点に特徴があり、モチーフや音型に固有の意味を込めることがしばしば見られる。そのため聴衆にとっては挑戦的でありながらも深い感情移入を誘う作品が多い。
ベルクの音楽は後の世代の作曲家や演奏家に大きな影響を与え、20世紀の新しい音楽表現の発展に貢献した。一方で、1930年代以降の政治的状況下でナチス政権からは「退廃音楽」として排斥されるなどの困難も経験した。今日ではその複雑で豊かな表現力が再評価され、世界中のオペラ座や演奏会で頻繁に取り上げられている。
要点:ベルクはシェーンベルク門下の重要な作曲家で、十二音技法を用いながらも強い叙情性と劇的表現を併せ持った作品群(『ヴォツェック』、『ルル』、ヴァイオリン協奏曲など)を残し、20世紀の音楽史において重要な位置を占めている。

