アメリカ中西部(英語: Midwest、別名 ハートランド)は、アメリカ合衆国の中北部から中西部にかけて広がる地域を指す呼称です。定義は文脈によって変わりますが、現在の国勢調査(U.S. Census Bureau)では以下の12州を中西部(Midwest)に分類しています。
範囲・州一覧(一般的な分類)
- 東部北中部(East North Central): イリノイ、インディアナ、ミシガン、オハイオ、ウィスコンシン
- 西部北中部(West North Central): アイオワ、カンザス、ミネソタ、ミズーリ、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスダコタ
この12州がもっとも広く使われる公式分類です。ただし、日常の用法や歴史的・地域的な感覚では、州の一部や周辺州を含めたり除外したりすることがあり、例えば「中西部」として6〜8州程度だけを指す場合や、広くプレーンズ(平原地帯)を含める用法もあります。
地理的な特徴
- 地形は五大湖周辺の湖岸平野、五大湖流域、ミズーリ川・ミシシッピ川流域、内陸のプレーンズ(大平原)まで多様です。
- 気候は一般に大陸性気候で、冬は寒く雪が多い地域(五大湖周辺や北部)、夏は暑く湿度が高い地域(五大湖以南や肥沃な農地帯)があります。
- 地理的中心はカンザス州に位置するとされ、また近年の人口移動によりアメリカの人口的中心(mean center of population)はミズーリ州付近にあります。
歴史(概略)
- もともと先住民が広く居住していた地域で、18〜19世紀の西方開拓と共にヨーロッパ系移民が定着しました。
- アメリカ建国後は「ノースウェスト領域(Northwest Territory)/旧北西部(Old Northwest)」として編入・分割され、ノースウェスト条例( Northwest Ordinance、1787年)による統治と州設立が進みました。
- 19世紀半ば以降は農業の大規模化と鉄道網の発達、さらに20世紀には工業化(特に自動車産業と中西部の製造業)が進み、全米の経済基盤の重要な一角となりました。
経済・文化
- 農業生産(トウモロコシ、大豆、小麦など)が盛んで、アメリカの食糧供給の主力を担っています。
- イリノイ州シカゴは交通・金融のハブであり、ミシガン州デトロイト周辺は自動車産業の中心地として歴史的に重要です。
- 移民(ドイツ系、スカンディナヴィア系、アイルランド系など)の影響を受けた宗教・習慣が色濃く、地域ごとに独自の文化・方言・食文化があります。
- 政治的にはスイング・ステート(左右どちらにも傾く州)を含み、アメリカ国内で「ハートランド(中核的な価値観や農業・中産階級の象徴)」といったイメージで語られることが多いです。
名称の由来と変遷
「Midwest」という呼称は19世紀後半から普及しました。それ以前は「Northwest(北西部)/Old Northwest(旧北西部)」や「Mid-America」などの名称が使われていました。現代では「ハートランド(Heartland)」という語も、経済的・文化的に「アメリカの中心的価値」を象徴する意味で用いられます。
補足:定義のばらつきについて
文献や会話で「中西部」と言う場合、含まれる州や範囲の解釈が人や組織によって異なることを念頭に置いてください。行政上の分類(国勢調査)と生活圏や歴史的感覚による呼び方は一致しないことがしばしばあります。
以上がアメリカ中西部(Midwest/ハートランド)についての概略です。必要であれば、各州ごとの詳細(経済指標・主要都市・歴史年表など)も追記できます。

