女子テニス協会(WTA)ツアーは、女子テニス競技のためのナンバーワンプロテニスツアーです。2010年のWTAツアーカレンダーは、グランドスラムトーナメント(国際テニス連盟(ITF)主催)、WTAプレミアトーナメント(プレミアマンダトリー、プレミア5、レギュラープレミア)、WTAインターナショナルトーナメント、フェドカップ(ITF主催)、年末選手権(コモンウェルスバンク・トーナメント・オブ・チャンピオンズ、WTAツアー選手権)で構成されています。また、2010年のカレンダーには、ITFが主催するランキングポイントの分配を行わないホップマンカップも含まれています。

大会カテゴリとポイントの概要

  • グランドスラム(ITF主催):年間4大会。最大のポイントと賞金。シングルス優勝者は最大級のポイント(年間ランキングへの影響が最も大きい)。
  • WTAプレミア・マンダトリー:インディアンウェルズ、マイアミ、マドリード、北京の4大会。グランドスラムに次ぐ高ポイント。
  • WTAプレミア5:ドバイ、ローマ、シンシナティ、カナダ(モントリオール/トロントの隔年開催)、東京。優勝で高い加点。
  • WTAプレミア(レギュラー):チャールストン、シュトゥットガルト、スタンフォードなど。優勝で中規模のポイント。
  • WTAインターナショナル:世界各地の中規模大会。優勝で着実なポイント(ツアー新人や中堅の台頭の舞台)。
  • 年末選手権:WTAツアー選手権(トップ選手8名)と、コモンウェルスバンク・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(その年のインターナショナル優勝者・上位選手による大会)。
  • ホップマンカップ:国別混合戦でエキシビション色が強く、WTAランキングポイントは付与されない

ランキング制度(2010年)

  • 算出方式:過去52週間の成績によるローリング方式。シングルスはベスト16大会(ダブルスはベスト11大会)の合計で算出。
  • 義務大会:4大大会と4つのプレミア・マンダトリーは基本的に参加義務があり、欠場時はゼロポイントが入る場合がある。
  • ポイントの目安:グランドスラム優勝が最大、次いでツアー選手権、プレミア・マンダトリー、プレミア5、プレミア、インターナショナルの順に配点が下がる。
  • 年間最終1位:2010年はキャロライン・ウォズニアッキが初の年間世界1位を獲得。
  • ダブルス年間トップ:ジゼル・ドゥルコ/フラビア・ペンネッタ組が年間最優秀チーム。

カレンダー概観(主な流れ)

  • 1月:オーストラリア/ニュージーランドのハードコート(ブリスベン、オークランド等)から開幕し、全豪オープンへ。
  • 2月:欧州室内(パリ)やアジア(パタヤ)を経て中東シリーズ(ドバイなど)。
  • 3月:北米プレミア・マンダトリー2連戦(インディアンウェルズ、マイアミ)。
  • 4〜5月:クレーシーズン(チャールストン、シュトゥットガルト、ローマ、マドリード)から全仏オープンへ。
  • 6〜7月:芝シーズン(バーミンガム、イーストボーン、スヘルトーヘンボス)とウィンブルドン。
  • 7〜8月:北米ハード(スタンフォード、シンシナティ、カナダ、ニューヘイブン)。
  • 8〜9月:全米オープン。
  • 9〜10月:アジア・オセアニア遠征(ソウル、東京、北京、タシケント、広州など)。
  • 10〜11月:欧州インドア(リンツ、ルクセンブルク、モスクワ)を経て、年末のバリおよびドーハで締めくくり。

主要大会の結果(シングルス/ダブルスのハイライト)

  • 全豪オープン:シングルス優勝 セリーナ・ウィリアムズ(決勝でジャスティン・エナンを下す)。ダブルス優勝 セリーナ/ビーナス・ウィリアムズ組。
  • 全仏オープン:シングルス優勝 フランチェスカ・スキアボーネ(イタリア女子初のグランドスラム制覇)。ダブルス優勝 セリーナ/ビーナス・ウィリアムズ組。
  • ウィンブルドン:シングルス優勝 セリーナ・ウィリアムズ。ダブルス優勝 ヴァニア・キング/ヤロスラワ・シュウェドワ組。
  • 全米オープン:シングルス優勝 キム・クライシュテルス。ダブルス優勝 ヴァニア・キング/ヤロスラワ・シュウェドワ組。
  • プレミア・マンダトリー
    • インディアンウェルズ:優勝 エレナ・ヤンコビッチ
    • マイアミ:優勝 キム・クライシュテルス
    • マドリード:優勝 アラバン・レザイ
    • 北京:優勝 キャロライン・ウォズニアッキ
  • プレミア5
    • ドバイ:優勝 ビーナス・ウィリアムズ
    • ローマ:優勝 マリア・ホセ・マルティネス・サンチェス
    • シンシナティ:優勝 キム・クライシュテルス
    • カナダ(モントリオール):優勝 キャロライン・ウォズニアッキ
    • 東京(パン・パシフィック):優勝 キャロライン・ウォズニアッキ
  • 年末選手権
    • WTAツアー選手権(ドーハ):シングルス優勝 キム・クライシュテルス、ダブルス優勝 ジゼル・ドゥルコ/フラビア・ペンネッタ組。大会期間中にエレナ・デメンチェワが現役引退を発表。
    • コモンウェルスバンク・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(バリ):優勝 アナ・イバノビッチ。
  • フェドカップ:イタリアが決勝でアメリカ合衆国を下して優勝(連覇)。
  • ホップマンカップ:スペインが優勝(注:ランキングポイントは付与されない)。

トピック・出来事

  • 世界1位の交代:セリーナ・ウィリアムズの負傷離脱もあり、キャロライン・ウォズニアッキが秋のアジア・シリーズで大活躍(北京、東京、カナダ、ニューヘイブン等)し、初の年間世界1位を確定。
  • タイトルリーダー:ウォズニアッキはシングルスでシーズン最多タイトル(6勝)を挙げ、クライシュテルスは全米とツアー選手権を含むビッグタイトルを多数獲得。
  • ダブルス台頭:ジゼル・ドゥルコ/フラビア・ペンネッタ組が年間を通して安定し、ウィンブルドンと全米はキング/シュウェドワ組が連覇。

年間最終ランキング(抜粋)

  • シングルス(トップ10):1. キャロライン・ウォズニアッキ、2. ベラ・ズボナレワ、3. キム・クライシュテルス、4. セリーナ・ウィリアムズ、5. ビーナス・ウィリアムズ、6. サマンサ・ストーサー、7. フランチェスカ・スキアボーネ、8. エレナ・ヤンコビッチ、9. エレナ・デメンチェワ、10. ビクトリア・アザレンカ。
  • ダブルス:年間最優秀チームはジゼル・ドゥルコ/フラビア・ペンネッタ組。個人ランキングでもドゥルコが年間1位。

2010年シーズンは、グランドスラム2冠のセリーナ・ウィリアムズ、ビッグイベントで勝ち切ったキム・クライシュテルス、安定感で頂点に立ったキャロライン・ウォズニアッキ、全仏優勝で歴史を刻んだフランチェスカ・スキアボーネなど、実力者と新世代が交錯した一年だった。