チャールズ・ハドン・スパージョン(Charles Haddon Spurgeon、1834年6月19日 - 1892年1月31日)は、イギリスのバプテスト派の伝道師で、今なお「説教者の王子(Prince of Preachers)」と呼ばれています。若くして信仰に目覚め、19歳で教会の牧師として立ち、その後およそ38年にわたり宣教・説教活動を続けました。生涯に説教した聴衆は延べで数百万人に上るとされ、しばしば週に十回近くさまざまな場所で説教を行うこともありました。彼の説教は多くの言語翻訳されており、今日でも多数の書籍や説教集が読まれています。現代の多くの伝道者や神学者に対して大きな影響を与え、他のどのクリスチャン作家にも劣らない著作の遺産を残しました。

スパージョンはロンドンのロンドンのメトロポリタン・タバナクルの牧師を長年務め、当時の大規模な会衆を牧会しました。前任の牧師ジョン・リッポン博士の時代からの伝統を引き継ぎ、彼の時代に教会はさらに成長していきました。教理的には福音的かつ改革主義(カルヴィン主義)的立場を堅持し、そのために教会や同業者との間で意見の衝突が生じることもありました。特に後年には英国バプテスト連盟との間で教義や信仰告白をめぐるいくつかの論争に巻き込まれ、最終的にその教派から距離を置くに至りました(いわゆる近代主義に対する対立や「ダウングレード論争」と呼ばれる論点)。

私生活では、スパージョンは度々心身の不調に悩まされました。生涯を通してうつ病やその他の精神疾患に苦しんでいましたと報告されており、気候や過労が症状を悪化させることもありました。加えて慢性的な体調不良や喘息なども抱えていましたが、それでも説教と執筆を続け、多くの人々に希望と慰めを与えました。

スパージョンは説教活動だけでなく、教育や慈善事業にも力を注ぎました。若手牧師を育成するための学校(後のスパージョンズ・カレッジ)を設立し、孤児院や貧困者支援などの社会事業にも熱心に取り組みました。こうした働きは後世に引き継がれ、1850年代以降に始まった彼の諸事業は現在も名前を残しています。1850年代後半から始まった彼の慈善活動は拡大し、やがて世界中で活動する慈善団体「Spurgeon's」の源流となりました。

著述面では、数千に及ぶ説教録や神学的・実用的な著作を残しました。代表的なものには朝夕の日課的な黙想集や説教集、詩篇注解の続編などがあり、多くは現在も翻訳・再刊されています。彼の説教は説得力と聖書的な深さを合わせ持ち、平易でありながら神学的に豊かな点が特徴です。

1892年に没した後も、スパージョンの業績は世界中のプロテスタント伝道運動や説教学、聖書教育に大きな影響を与え続けています。著作や説教録は現在でも広く読まれ、教会や神学校で引用されることが多く、彼の「説教者の王子」という呼称は現在に至るまで親しまれています。

  • 生年・没年:1834年6月19日 - 1892年1月31日
  • 主要な役職:メトロポリタン・タバナクル牧師(長年)
  • 主な業績:説教と著作、牧師養成、孤児院などの慈善事業
  • 特徴:福音的・改革主義的立場、説教の普及と翻訳、広範な影響