『ファインディング・ドリー』は、2016年のアメリカのコンピュータアニメーションによるコメディアドベンチャー映画である。ピクサー・アニメーション・スタジオが製作し、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが配給した。2003年に公開されたディズニー・ピクサー映画『ファインディング・ニモ』の続編であり、オリジナルでも監督を務めたアンドリュー・スタントンが監督を務めた。2013年4月にウォルト・ディズニー・ピクチャーズによって映画化が正式に発表された。本作では、カクレクマノミのニモの声を英語版でヘイデン・ロレンス(Hayden Rolence)が担当した。これは、オリジナルでニモを演じたアレクサンダー・グールドの声が成長により変化したためである。
あらすじ
物語は、忘れっぽいナンヨウハギのドリーが、ある日突然幼少期の断片的な記憶を思い出したことから始まる。その記憶は「両親と離ればなれになった自分」を示しており、ドリーは自分の出生の秘密と家族を探すために過去の手がかりを頼りに旅に出る。マリーン(マーリン)やニモと再会しつつ、ドリーは海洋研究施設(海洋生物保護センター)で出会う新しい仲間──七本足のタコ「ハンク」や、ジンベエザメのような見た目の「ディスティニー」、ベルーガの「ベイリー」などと協力して、自分の家族を探していく。
制作
本作は、登場人物ドリーのキャラクターの人気を受けて企画が進められた続編プロジェクトとして始まった。監督のアンドリュー・スタントンは、続編であっても独立した物語性と感情的な深みを持たせることを目指した。脚本やストーリールームでの試行錯誤を経て、ヴィクトリア・ストラウス(Victoria Strouse)らが脚色に関与した。制作過程では、海中表現のリアリティや光の描写、海洋生物の動きの自然さに特に力が注がれ、海の水流や泡、毛の表現などピクサーらしい高度なCG技術が用いられている。また、海洋生物学者などの専門家からの助言を受け、動植物の描写に現実味と配慮が加えられた。
キャスト(主な登場人物)
主なキャストは以下の通り(英語版を中心に紹介)。日本語吹替版など各国版の配役は別途発表されている。
- ドリー:エレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres) — 物語の主人公。短期記憶障害を持つが、明るく前向き。
- マーリン(マリーン):アルバート・ブルックス(Albert Brooks) — ニモの父親で、ドリーの友人。
- ニモ:ヘイデン・ロレンス(Hayden Rolence) — 本作で子ども時代の声を担当(オリジナルではアレクサンダー・グールド)。
- ハンク:七本足(いわゆる「セプトパス」)のタコ — ドリーを助けるが頑なな性格で、重要な仲間。
- ディスティニー/ベイリー:海洋生物保護センターで出会う大型生物たち — ドリーとの友情や協力が描かれる。
公開・興行成績
2016年に全世界で公開され、商業的にも大きな成功を収めた。公開に伴うプロモーションやマーケティングも積極的に行われ、映画は幅広い年齢層から支持を受けた。世界興行収入は10億ドルを超え、ピクサー作品の中でも上位に入るヒットとなった。
評価・テーマ
批評面では、ビジュアルの美しさや声優陣の演技、感情に訴えるストーリーテリングが高く評価された一方で、続編としての既視感や一部のプロット展開を指摘する声もあった。作品の中心テーマは「家族」や「帰属意識」であり、加えてドリーの短期記憶喪失(忘れっぽさ)を通して「障害」をどのように描くか、という点でも注目を集めた。ドリーのキャラクターは弱点と長所が同居する存在として描かれ、困難に立ち向かう姿勢が多くの観客の共感を呼んだ。
音楽・賞
サウンドトラックやスコアも作品の感情表現を支える重要な要素となっている。公開後は、視覚・音響面を含めた技術的な功績やアニメーション表現に関する賞やノミネートをいくつか獲得・候補になった。
ホームメディアと関連展開
劇場公開後はブルーレイやDVDなどホームメディアが発売され、映像特典やメイキング、短編映像などが収録された。テーマパークやグッズ、絵本やゲームなどの関連商品展開も行われ、幅広いメディアミックスが展開された。
以上が『ファインディング・ドリー』の概要・制作・キャスト・評価に関する解説である。続編として前作の世界観を受け継ぎつつ、新たなキャラクターとテーマで幅広い観客に訴求した作品である。