ラテンアメリカとは、アメリカ大陸の中でも、ロマンス系言語(Vulgar Latinから派生した言語)を話す人々のいる国や地域を指します。一般には、スペイン語やポルトガル語が主要言語として使われている国々を中心に、南米中米の大部分、そして北米のメキシコなどが含まれます。

含まれる国・地域(一般的な区分)

「ラテンアメリカ」に含めるかどうかは定義によって異なりますが、典型的には次のような国・地域が挙げられます。

  • 北アメリカ:メキシコ(メキシコ
  • 中米:グアテマラ、ベリーズ(英語公用だがスペイン語話者も多い)、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ
  • カリブ:キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコ(米国の自治領で主にスペイン語)など。ハイチはフランス語・ハイチ・クレオール語を使用し、定義次第で含められることが多いです。
  • 南米:アルゼンチン、ボリビア、ブラジル(ポルトガル語)、チリ、コロンビア、エクアドル、ガイアナ(主に英語)、パラグアイ(スペイン語+グアラニー)、ペルー、スリナム(オランダ語)、ウルグアイ、ベネズエラ、フランス領ギアナ(フランス領)など。ガイアナやスリナムは非ロマンス語が公用語なので、含めない場合もあります。
  • フランス語圏の扱いフランス語がロマンス語であることから、カナダアメリカ(本国)を除くアメリカ大陸のフランス語地域(例:フランス領ギアナ、マルティニーク、グアドループ)をラテンアメリカの一部と見なす考え方もあります。

話される言語

  • 主要言語:スペイン語、ポルトガル語、フランス語(定義により含む)
  • 先住民語:ケチュア、アイマラ、グアラニー、ナワトル(ナワトル語)など、多数の先住民言語が各国で使われ、いくつかは公用語に指定されています(例:ボリビアやパラグアイなど)。
  • クレオール語・その他:ハイチ・クレオールなどのクレオール語や、英語・オランダ語が話される地域(ベリーズ、ガイアナ、スリナムなど)も混在しています。

歴史的・語源的背景

  • 「ラテンアメリカ」という用語は、ラテン系の言語(ロマンス語)を話す地域をまとめた概念で、19世紀以降に広がりました。ヨーロッパのラテン系言語に由来する文化的・言語的共通点を強調するために使われます。
  • 植民地化の歴史(スペイン、ポルトガル、フランスによる支配)が、言語・宗教・制度面での共通性を生み、現在の「ラテンアメリカ」という集合概念につながっています。

注意点・用語の違い

  • ラテンアメリカは言語や文化的共通性に基づく広い概念で、定義は柔軟です。学術的・政治的文脈によって含まれる国が変わることがあります。
  • ヒスパニック・アメリカ(Hispanic America)は主にスペイン語を話す国々を指します。これにはブラジル(ポルトガル語)は含まれません。
  • イベロアメリカ(Ibero-America)はイベリア半島系の国家(スペイン語・ポルトガル語圏)を指し、スペイン語圏とポルトガル語圏を合わせた概念です(フランス語圏は除外)。
  • 文化的・社会経済的文脈では、カリブの英語圏やオランダ語圏をどう扱うかで議論が分かれます。たとえばスポーツ大会や経済統計では除外されることが多い一方、地理的・歴史的観点では近接性や相互影響を理由に話題に上ることがあります。

まとめ

ラテンアメリカは、ロマンス語を基盤とする言語・文化的結びつきによってまとめられる地域概念です。一般的にはメキシコ、中米、南米の大部分、そして一部のカリブ地域を含みますが、その範囲は文脈によって変わるため、具体的にどの国を含めるかは用途に応じて確認することが重要です。