USRCS(United States Revenue Cutter Service)は、1790年にジョージ・ワシントンが署名した法律に基づいて設立されました。法律は新生した合衆国の歳入を確保するために10隻の船の建造を認めるもので、設立当初から海上での関税徴収や密輸取り締まりを任務としました。当時の連邦政府は常備海軍をほとんど持たなかったため、これらの小型で機動力の高いカッター(沿岸巡視艇)は各地の港湾で連邦の存在を示す重要な存在となりました。

Revenue Cutter Serviceの主な役割は、関税や税金の徴収、密輸の摘発、商船の検査や輸出入貨物の監督でした。加えて、米国内外へ送られる商品が正しく処理されているかを確認し、違法取引が外国の市場に流れるのを防ぐことも任務の一つでした。日常的には巡回・検査・拿捕のほか、遭難船の救助や沿岸の安全確保など、人命救助や航行援助といった役割も果たしており、州や地方の力だけでは対応できない海上の行政・治安機能を担っていました。必要に応じて戦時には海軍と協力・編入され、米英戦争や南北戦争などでも作戦に参加しました。

時代が進むにつれてRevenue Cutter Serviceは装備や組織を整え、1890年代以降には現代的な沿岸執行組織へと発展していきます。1915年にはウッドロー・ウィルソン大統領が沿岸警備隊創設の法案に署名し、Revenue Cutter ServiceとUnited States Life-Saving Serviceが合併して、現在の米国沿岸警備隊が誕生しました。沿岸警備隊は以後、税関・法執行・救助・航行安全・環境保護・国防支援など多岐にわたる海上任務を担当する機関として発展し、Revenue Cutter Serviceが築いた伝統と制度は現在の沿岸警備隊の基礎となっています。