ベジーナ・トロフィーは、毎年ナショナル・ホッケー・リーグで最も優れたゴールテンダーに選ばれる賞です。毎シーズン終了後、ナショナルホッケーリーグに所属する30チームのゼネラルマネージャーの投票により、レギュラーシーズン中に所属チームにとって最も価値のあったゴールテンダーが決定されます。1981年以前は、レギュラーシーズン中に最も少ない失点を許したチームのゴールテンダーに贈られていましたが、現在はこの以前の定義に基づき、ウィリアム・M・ジェニングス・トロフィーが贈られるようになっています。
起源と歴史
ベジーナ・トロフィーは、モントリオール・カナディアンズの伝説的ゴールテンダー、ジョルジュ・ベジーナ(Georges Vezina)を記念して設けられた賞です。ベジーナは1920年代に活躍し、1926年に病気のため現役を離れた後に亡くなりました。彼を讃えてトロフィーが創設され、以来、NHL最高のゴールテンダーに贈られる名誉ある賞として定着しています。 1981年までは「チーム失点最少のゴールテンダー」に贈られていましたが、1981年の制度変更以降は「各チームのゼネラルマネージャーの投票で選ばれる最優秀ゴールテンダー」という現在の選考方法に変わり、失点数の少なさに与えられる賞は別にウィリアム・M・ジェニングス・トロフィーとして分離されました。
選考基準と投票方法
- 投票者:リーグに所属する各チームのゼネラルマネージャー(GM)。
- 投票のタイミング:通常はレギュラーシーズン終了後に投票が行われ、最終候補者(ファイナリスト)が発表されてから受賞者が決定されます。
- 評価基準:失点率(GAA)やセーブ率(SV%)、勝利数、ショットに対する強さ、試合への影響力、チームにとっての価値(価値貢献度)など、統計と主観的評価の両面が考慮されます。単にチームの失点数だけで決まるわけではなく、個人の卓越したパフォーマンスが重視されます。
- ファイナリスト:通常は数名(例:3名)がファイナリストとして絞られ、表彰式で受賞者が発表されます。
ウィリアム・M・ジェニングス賞との違い
ベジーナ・トロフィーは「最優秀のゴールテンダー」に贈られる個人賞であるのに対し、ウィリアム・M・ジェニングス・トロフィーは「レギュラーシーズン中に最も少ないチーム失点を記録したチームに所属するゴールテンダー(または複数ゴーリー)」に贈られる賞です。1981年のルール変更により、この2つは明確に分けられました。
主な受賞記録と注目選手
- 長年にわたり複数回受賞するゴールテンダーが多数います。代表的な名前としては、ドミニク・ハセク(Dominik Hasek)、マーティン・ブロデュー(Martin Brodeur)、パトリック・ロイ(Patrick Roy)などが挙げられます。
- 複数回受賞した選手は、その時期のリーグにおける守護神として高く評価されており、殿堂入り(Hockey Hall of Fame)を果たした例も多くあります。
授賞式と社会的意義
受賞者はNHLの年間表彰式やシーズン終盤の行事で正式に発表・授与されます。ベジーナ・トロフィーは単なる個人賞にとどまらず、そのシーズンにおける守備の要としてチームを支えた存在を讃えるものであり、ゴールテンダーの地位向上にも寄与しています。
受賞者一覧を確認するには
歴代受賞者の完全な一覧や年ごとの詳細は、NHL公式サイトや主要なアイスホッケー統計データベースで確認できます。公式記録には受賞年、所属チーム、受賞理由となった成績などが掲載されていますので、最新の情報や年度ごとの比較はそちらを参照してください。
補足(注意点)
- 本文中の表記「30チームのゼネラルマネージャー」といった表現は、原文にあった記述を保持していますが、実際のチーム数はリーグ拡張などにより変化しています。投票は常にリーグ所属チームのゼネラルマネージャーによって行われます。
- 統計的評価(GAA、SV% など)だけでなく、相手チームの強度やチーム戦術、負傷離脱の有無など、文脈に応じた評価がなされる点も理解しておくとよいでしょう。



