このページは、アメリカ合衆国憲法の修正条項の一覧です。1789年3月4日に憲法が施行されて以来、27の修正条項が加えられてきました。このページでは、これらの修正条項のそれぞれについて、簡単な概要のみを紹介しています。各修正条項の詳細については、このページの右側のボックスにあるリンクをクリックしてください。修正条項は、I(一)からXXVII(二十七)まで、ローマ数字で番号付けされています。

修正条項一覧(概要)

  1. I(第1修正):言論・出版・宗教・集会・請願の自由を保障。政府による表現や信教の制限を制約する、アメリカの基本的な自由権の柱。1791年に成立した最初の10修正、いわゆる「権利章典(Bill of Rights)」の一部。
  2. II(第2修正):武器を保有し携帯する権利を保障。民兵の必要性や個人の自衛に基づく解釈が多く、銃規制を巡る議論の中心になっている。
  3. III(第3修正):平時における住居への兵士の宿泊を禁止。歴史的背景はイギリス統治下の不満に由来し、現在はほとんど争点とならないがプライバシー保護の一端とされる。
  4. IV(第4修正):不当な捜索・押収からの保護を規定し、令状に基づかない捜索を原則禁止。捜索差押えの手続きや合理的な疑い・令状の要件が問題になる。
  5. V(第5修正):重大犯罪での陪審による起訴、二重処罰の禁止、自白強要の禁止、適正な手続(Due Process)、私人の財産の没収に対する正当な補償(エミネント・ドメイン)などを定める。
  6. VI(第6修正):刑事被告人の権利(迅速な公判、公正な陪審、弁護人による弁護、証人に対する対質権など)を保障する。
  7. VII(第7修正):一定の民事訴訟において陪審裁判を保障する条項(連邦法廷での陪審権の保護)。
  8. VIII(第8修正):過度な保釈金や罰金、残虐で異常な刑罰の禁止を規定する。
  9. IX(第9修正):憲法に明記されていない権利が国民に存在することを認め、列挙された権利の限定解釈を避けるための条項。
  10. X(第10修正):合衆国憲法や連邦政府に明示的に委ねられていない権限は各州または国民に留保されることを確認する、州権尊重の原則。
  11. XI(第11修正):連邦裁判所が州に対して外国人や他州の住民からの訴訟を受理することを制限し、州の主権的免責を強化した条項(1795年成立)。
  12. XII(第12修正):大統領と副大統領の選挙手続きを改め、選挙人による票の投じ方や同点時の扱いを規定(1804年成立)。
  13. XIII(第13修正):奴隷制度の廃止を規定し、強制労働を原則として禁止(1865年成立)。市民的・人道的な大改革の一つ。
  14. XIV(第14修正):出生地主義による市民権の保障、法の下の平等(Equal Protection)、適正手続の適用を規定。州の行為に対しても連邦憲法の市民権・自由権の保護を及ぼす重要な条項(1868年)。
  15. XV(第15修正):人種・肌の色・以前の奴隷状態を理由に投票権を禁止することを禁じ、黒人男性の選挙権付与に道を開いた(1870年)。
  16. XVI(第16修正):連邦政府による所得税の徴収を認める条項(1913年)。
  17. XVII(第17修正):上院議員を州議会が選出する制度から、国民による直接選挙に改めた(1913年)。
  18. XVIII(第18修正):アルコールの製造・販売等を禁止する禁酒法を導入したが、社会的影響により後の第21修正で廃止された(1919年)。
  19. XIX(第19修正):性別を理由とする投票権の制限を禁止し、女性の参政権を保障(1920年)。
  20. XX(第20修正):大統領と議会の任期開始日を変更し、政権移行の手続きを明確化(1933年)。
  21. XXI(第21修正):第18修正(禁酒法)を廃止し、アルコール規制を州の裁量に戻した(1933年)。
  22. XXII(第22修正):大統領の連続在任を2期(合計10年の制限を含む場合あり)に制限する条項(1951年)。
  23. XXIII(第23修正):ワシントンD.C.に大統領選挙の選挙人を割り当て、首都の住民にも選挙で投票する権利を与えた(1961年)。
  24. XXIV(第24修正):連邦選挙における投票税(ポールタックス)を禁止し、貧困層の選挙参加障壁を取り除いた(1964年)。
  25. XXV(第25修正):大統領の病気や職務遂行不能時の権限移譲、後継問題、空席時の副大統領の指名承認手続などを定めた(1967年)。
  26. XXVI(第26修正):公職選挙における選挙年齢を18歳に引き下げる条項(1971年)。若者の参政権拡大が目的。
  27. XXVII(第27修正):議会議員の給与改定に関し、その効力発生を次の選挙後まで遅らせることを定めた条項。提出から長期間を経て1992年に正式に批准された最後の修正条項。

補足:修正手続と歴史的背景

  • 憲法の修正は、連邦議会の各院で3分の2以上の賛成、あるいは議会要求による州代表会議の招集で提案され、最終的に州の4分の3の批准を得る必要があります(合衆国憲法第V条に基づく)。
  • 第1~第10修正(1791年)は「権利章典」と呼ばれ、個人の基本的自由と州の権限を明確にした点で重要です。
  • 19世紀中葉以降の修正(13〜15修正や14修正など)は、南北戦争とその後の再建期における市民権と平等の確立を目的としています。
  • 20世紀以降も選挙制度、納税、行政手続、大統領権限の整理など、政治制度の安定化や民主主義の拡大を目的とした修正が行われてきました。

各修正条項の個別の法解釈や判例は膨大で、裁判所の判断や政治状況によって変化します。詳細な解説や主要判例については、ページ右側の各修正条項へのリンクを参照してください。