このタイムラインは、キリスト教の始まりから現在までの歴史を年代順に示します。日付に付された疑問符(?)は、その年や日付が不確実であることを意味します。年代の表記にはさまざまな慣習があるため、同じ出来事でも資料によって年が異なる場合があります。
暦(カレンダー)と年代表記について
西洋文化や多くのキリスト教会で用いられているのは、現在のグレゴリオ暦です。グレゴリオ暦は、精度の低かったユリウス暦(紀元前45年にユリウス・カエサルが導入)に代わる形で、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって導入されました。導入当時は暦の日付を調整するために10日分(さらにその後の世紀調整で合計11日以上)を飛ばすなどの修正が行われ、閏年の扱いも「100で割り切れる年は閏年としない。ただし400で割り切れる年は閏年とする」という規則で精度を高めています。
グレゴリオ暦の採用時期は地域ごとに異なります。カトリック諸国では1582年にすぐ採用されましたが、イギリス(およびその植民地)は1752年、ロシアは1918年、ギリシャは1923年に採用するなど、採用時期は国によって差がありました。東方正教会の一部は典礼暦として今なおユリウス暦(あるいは改暦したユリウス体系)を用いているため、宗教行事の日付が異なることがあります。また、復活祭(イースター)などは複雑な計算法(computus)に基づくため、カレンダーの違いで日付がずれる場合があります。
BC/AD と BCE/CE、および「年0」について
グレゴリオ暦に基づく従来の紀年法では、イエス・キリストの誕生を基準にして年を区切ります。イエス誕生以前の年は「BC(Before Christ)」、誕生以後の年は「AD(anno Domini:我らの主の年)」と表記されるのが伝統的です。近年は宗教に中立的な表記として、BCの代わりにBCE(Before the Common Era)、ADの代わりにCE(Common Era)が広く用いられます。
伝統的な紀年法では、年1がanno Dominiの最初の年に相当し、「年0」は存在しません。そのため、年数の計算や年代の差を扱う際にはこの点に注意が必要です(天文学的・数値的な便宜のために、別に「年0」を設定する暦表記法もあります)。
イエスの誕生年の推定
暦の計算や年代の基準を定めたのは6世紀の修道士デオニシウス・エクシグウス(Dionysius Exiguus)らで、彼らは「anno Domini」という紀年法を用いることを提案しました。しかし、当時の資料や算術的な誤差などにより、実際の出来事と一致していない部分があります。たとえば、当初の計算と現代の歴史学・考古学的研究を照合すると、学者たちはしばしば結論を見直しています。
現在の学術的な見解では、イエスの誕生は紀元前6年から紀元前4年の間であった可能性が高いとされます。その根拠には、ヘロデ大王の死が紀元前4年頃である史料的証拠や、福音書にある記述(ヘロデ王の治世、カエサル時代の人口調査の言及など)、さらに当時の天文現象に関する研究などが挙げられます。ただし、出典や解釈によっては別の年代が提案されることもあり、完全な合意には至っていません。
実用上の注意点
- 古代から中世にかけての出来事を扱う際は、年代表記(ユリウス暦かグレゴリオ暦か)を明確にすることが重要です。
- 宗教的行事や祝祭日の算出には、カレンダーの違い(ユリウス暦・グレゴリオ暦・ユダヤ暦・イスラム暦など)が影響します。
- 歴史年表を参照する際は、疑問符や注釈が付された日付に注意し、可能であれば出典を確認してください。
このタイムラインは、主要な出来事の日付を示す参照としての利用を想定していますが、学術的・史料的な解釈の差や暦の切り替えなどにより、年の取り扱いには不確実性が伴うことを理解してご利用ください。